株式会社RE-INNOVATIONS(本社:東京都、代表取締役:岸田 隼人)は、2026年2月10日に開催された日本太陽エネルギー学会・太陽光発電部会 第41回セミナーにおいて登壇し、太陽光発電システムの安全性向上に向けたMLPE(Module Level Power Electronics)活用の最新動向について講演を行いました。

直流回路に潜むアーク発生リスクと火災問題を議論

セミナーは「JIS C63027(PVアーク保護)とMLPEの最近の技術動向」をテーマに、東京都港区の機械振興会館およびオンラインのハイブリッド形式で開催され、研究機関、メーカー、施工事業者など幅広い関係者が参加しました。近年、太陽光発電設備における火災事故を背景に直流側安全対策への関心が高まっており、昨年11月にPVアーク保護規格「JIS C63027」が制定されたことで、設計思想そのものの見直しが進みつつあります。

太陽光発電設備は、配線接続部の緩みや劣化、施工不良などを起点として直流回路内にアーク放電が発生する場合があります。直流電流は交流と異なり電流のゼロクロス点が存在しないため、一度発生したアークが継続しやすく、高温状態が維持される特徴があります。この熱エネルギーが周辺部材の絶縁劣化や可燃物への着火につながり、火災へ発展するリスクが指摘されています。設置環境の多様化により、こうした直流側リスクへの対応は重要な技術課題となっています。

MLPEが実現する多層防御型の安全設計

講演では、当社技術担当の永沢健が「これからの太陽光発電システムとMLPEの安全技術 ― SolarEdgeを中心に ―」と題し、従来のストリング型システムにおける課題と、新たな安全設計の方向性を解説しました。

太陽光発電は交流側に比べ直流側の監視・制御が限定的であり、高精度なアーク検出への対応が長年の課題とされてきました。アーク検知機能(AFCI)は有効な対策とされる一方、検知漏れと誤検知の両立が難しいという技術的課題があります。この問題に対し当社では「単一の検査だけでは安全を保証できない構造」と捉え、多層的な安全設計の必要性を指摘しました。

同問題を解決するSolarEdge社のシステムは、AFCIによるアーク検知に加え、コネクタ温度監視、通信断絶時に自動停止するSafeDC™機能、モジュール単位の遠隔モニタリングを組み合わせることで事故リスク低減を図ります。特にパワーオプティマイザはインバータとの通信が途絶えた場合、モジュール電圧を約1Vまで低減させる仕組みを持ち、停電時や災害時の安全確保に寄与します。

BIPVや商業施設、バルコニー、外装部材など、人が触れ得る場所への設置が拡大する中、停止後も高電圧が残る従来方式のリスクが顕在化しています。MLPEは停止時の電圧低減機能により、消防活動や保守作業時の安全性向上にも寄与します。モジュール単位の発電データ取得は遠隔診断や予防保全を可能にし、今後はサイバーセキュリティを含めた「監視可能な分散型エネルギーインフラ」への進化が重要になるとの見解を示しました。

安全で持続可能な太陽光発電の普及に向けて

太陽光発電の設置環境が生活空間へ近づく中、安全設計は事後対応型から予防型・多層型へ移行しつつあります。当社は今後も技術知見の発信と実装支援を通じ、再生可能エネルギーの安全かつ持続的な普及に取り組んでまいります。

またSolarEdge社のソリューションに限らず、Enphase社をはじめとするマイクロインバータ型システムなど、安全性向上に寄与する多様なMLPE技術の普及に貢献してまいります。設置環境や用途に応じた最適な技術選択を支援することで、より安全で信頼性の高い次世代太陽光発電システムの実現を目指します。

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